ホームページ制作を依頼するとき、 「ドメイン(○○.comや○○.jp)」の取得を業者に任せることがあります。 しかし、契約内容を確認せずに任せると取り返しのつかないトラブルになる場合があります。
1. ドメインを業者が所有しているケースは危険
制作会社が「代わりにドメインを取得しておきます」と言う場合、 名義(登録者情報)が顧客本人ではなく制作会社になっていることがあります。
この場合、法律上も管理上もそのドメインは「業者の所有物」です。 つまり、あなたの会社名が入っていても、あなたのものではないという状態です。
▶ ドメインを業者が持っているのは、「人質」を取られているのと同じです。
2. 解約・乗り換え時に高額請求される事例
実際に次のような事例が報告されています。
- 解約時に「ドメインを譲渡するには30万円必要」と言われた
- 他社へ乗り換えようとしたら「100万円払わないとドメイン移管に応じない」
- 支払いを拒むと、サイトを停止されたりドメインを削除された
これらはいずれも、契約上「ドメインの所有権が業者側」と明記されているため、 法的にも取り返すことが困難になります。
▶ 「うちで取得したドメインですから譲渡できません」という言葉は危険信号です。
3. ドメインを奪われると何が起きるか
ドメインが使えなくなると、次のような影響が出ます。
- ホームページが即時停止
- メール(@自社ドメイン)がすべて使えなくなる
- 名刺・パンフレット・看板・広告に記載したURLがすべて無効
- 長年のSEO評価が失われ、検索順位がゼロからやり直し
さらに最悪のケースでは、 業者がそのドメインをアダルトサイトや詐欺サイトに転用することもあります。 法律上の所有者が業者側なら、文句を言っても通りません。
私の経験した悪徳業者ではこのような話がありました。
- ホームページを全面刷新しようと、現在の業者(悪徳業者)に見積もりを依頼すると300万円との見積もり。
- 他の業者(業者A)では200万円であったため、業者Aに制作を依頼し悪徳業者にドメインの移管を依頼
- 悪徳業者はドメインの移管を拒否。当該ドメインでホームページを公開するなら悪徳業者に依頼しなければならないとの返事
- 業者Aからも悪徳業者に連絡を取ると、ドメイン移管には500万円必要。契約書に移管するとは書いていないとの主張
- しばらく平行線をたどったため、業者Aに制作をキャンセル(キャンセル料120万円)
- 悪徳業者もしびれを切らしたのか、10日以内に支払いがなければ当該ドメインをアダルトサイトにリダイレクトすると脅しだす
- 支払わなかった結果、実際にアダルトサイトにリダイレクトされたため弁護士に相談
- その間もメールアドレスが使えずに業務に支障が出たため、50万円でリダイレクトを解除してもらう
- 最終的に300万円でドメイン移管が成立
ここまでの悪徳業者も珍しいかもしれませんが、ドメインを相手に握られるとはこれほど危険なことなのです。
▶ 会社の信用そのものを失う可能性があります。
4. 契約時に確認すべきポイント
契約書や見積書に次の内容があるかを必ず確認してください。
- ドメインの登録者名義(Registrant)は自社になっているか
- 取得代行の場合でも、解約時に無条件で譲渡されるか
- Whois情報で自社または代表者の名前が登録されているか
- ドメイン移管手数料が明記されているか
もし不明な場合は、契約前に業者にこう聞いてください。
「このドメインは誰の名義で登録されますか?
解約時に自分で管理できますか?」
5. 安全な運用方法
- ドメインは自分のアカウントで取得する(お名前.com、Google Domainsなど)
- 制作会社にはネームサーバー設定だけを依頼する
- 契約時にWhois登録情報を確認しておく
- 納品時にドメインとサーバーの情報をセットで受け取る
ドメインの取得と言っても難しいことはなく、代行会社にアカウントを作成し、そこで数クリックで契約できます。 善良な制作会社であれば、ドメインの取得方法など簡単にサポートしてもらえるはずです。
▶ ドメインを自分で管理していれば、業者を変えても影響は最小限。
6. まとめ
「ドメイン管理は当社にお任せください」という言葉は便利そうに聞こえますが、 実際には最も危険な契約項目のひとつです。
一度失うと、ドメインも、メールも、信用も取り戻せません。
ドメインは“あなたの会社の住所”です。
住所の権利を他人に預けたまま家を建てるような契約は、絶対に避けましょう。