WordPressでサイトを制作してもらうとき、 多くの人は「サイト=自分のもの」と考えます。 しかし、実際にはWordPressのシステムや運用権限が業者の手にあるケースが多く、 顧客側が自由に触れない状態になっていることがあります。
1. WordPressサイトを作ってもらっても、権利を持つとは限らない
WordPressはオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。 つまり、WordPress自体に利用権はなく(著作権は存在するが、自由に使ってもよいと公開されている)、自由に使うことができます。
しかし、問題はその中に構築されたサイトのデータや運用権限です。
制作契約で「納品物=サイト上のデータ」としか書かれていない場合、 WordPressの本体・プラグイン・テーマ構成などの管理権限は業者側に残ります。
▶ 納品されたのは“サイトの見た目”だけで、“WordPressの中身”は触れない状態ということも多い。
2. 修正コストを人質に取られる構造
業者によっては、 「顧客はWordPressを編集しない」と見越して、 修正依頼をすべて自社経由に限定するケースがあります。
このような業者では、 サイトの信頼度やアクセスが上がるにつれて、 修正・更新の金額を引き上げることも珍しくありません。
また、他社がWordPressにログインすることを禁止しているケースもあります。 サーバが業者提供の場合は特に多く、 実質的にサイトを人質に取られている状態になります。
▶ ドメインの権利が自分にあっても、WordPressを触れなければ意味がない。
3. 契約時に確認すべき「WordPress運用権限」
WordPressサイトの納品を受ける際には、次の3点を必ず確認してください。
- WordPressの管理者権限(Administrator)が渡されるか
- 他社がメンテナンスに入れるか
- WordPressの構成データをエクスポートできるか
- 一般ユーザー権限(Editor)では記事投稿しかできない - テーマ修正・バックアップ・データエクスポートは管理者のみ可能
- 契約で「他業者のログイン禁止」となっていないか
- XMLエクスポートやテーマ一式を受け取れるか
▶ 管理者権限がなければ、実質的にそのサイトは「レンタル状態」です。
4. トラブルを防ぐための契約チェック項目
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| WordPress管理者権限 | 顧客が所有しているか |
| サーバ契約 | 顧客名義または独自契約になっているか |
| ログイン制限 | 他社ログイン禁止などの条項がないか |
| 修正依頼ルール | 顧客側で自由に修正可能か |
| 納品範囲 | テーマ・プラグイン・データを含む完全納品か |
5. まとめ
WordPressは「自由に使えるCMS」ですが、 契約次第で“自由に使えないCMS”にもなるのが現実です。
- 管理者権限を渡さない
- 他社の修正を禁止する
- サーバを囲い込み、脱出できない構造にする
これらの契約は、後に大きなコストとリスクを生みます。
WordPressの納品=管理者権限とデータの引き渡しがセット。
ここを曖昧にした契約は、トラブルのもとです。