ホームページを制作してもらうと、 「お金を払ったのだから、すべて自分のもの」と思う人が多いでしょう。 しかし、著作権法上ではサイト制作者(業者)が著作権者になります。
契約書に明確な取り決めがない場合、 完成後のサイトであっても、自由に修正・転載できないトラブルが起こります。
1. 「制作費を払った=権利を得た」ではない
著作権法では、創作物の権利は創作した人(制作者)に帰属します。 ホームページのデザイン・コード・文章などはすべて著作物です。
そのため、 たとえ制作費を全額支払っても、 契約書に「権利の譲渡」や「利用許諾」の記載がない限り、 著作権は制作者側に残ります。
▶ 支払ったからといって、権利まで得たとは限らない。
2. 許可なく印刷・転載すると著作権侵害になる
権利を譲渡されていない場合、 サイトの文章や画像をパンフレット・広告・SNSなどに転用すると、 著作権法違反になる可能性があります。
実際に、印刷会社にデザインデータを渡したところ、 「これは当社が作成した著作物なので再利用は許可できません」と 制作業者から警告を受けた例もあります。
▶ 納品後も、制作業者が「原作者」として権利を持っているのです。
3. 契約書で確認すべき2つの条項
契約時に、次の条項が明記されているかを確認してください。
- 「サイト上に掲載されたデータの利用権は顧客に帰属する」
- 「制作者は著作者人格権を行使しない」
この2点があれば、顧客側はサイトを自由に利用・改変・転載できます。 逆に、この記載がなければ、制作後に制限をかけられる余地が残ります。
▶ 著作権の譲渡ではなく、「利用許諾」と「人格権不行使」の記載が重要。
4. 悪質なケースでは“人質化”される
一部の悪徳業者では、次のような問題が発生します。
- 「他社に依頼する場合は、全ての文面を使ってはいけない」
- 「このデザインを修正するのは著作権侵害だ」
- 「HTMLやCSSを編集するなら別料金が発生する」
つまり、サイトを持っていても自由に使えない状態になります。 顧客が自分のサイトを触れず、業者を通さなければ何もできない構造です。
▶ 契約で権利を握られていると、解約してもサイトが使えなくなる。
5. 確認・対策チェックリスト
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 著作権の帰属 | 顧客または共同所有になっているか |
| 利用許諾範囲 | 印刷・転載・改変が自由か |
| 著作者人格権 | 制作者が「行使しない」と明記されているか |
| データ提供 | HTML・CSS・画像を完全に納品してもらえるか |
これらが明記されていない場合、 後でトラブルになる可能性が高いです。
6. まとめ
ホームページ制作における最大の誤解は、 「お金を払えば全て自分のものになる」という思い込みです。
実際には、制作会社が著作権を持ち続けるケースがほとんどで、 そのままではサイトを自由に使う権利がありません。
契約書に「利用権の帰属」と「著作者人格権不行使」があるか。
この一文を確認するだけで、後のトラブルを防げます。